最初のそれは目撃していない。
何かが座卓の上を騒々しく横切り、見ると飲みかけのお茶がひっくり返って、
置いていたノートやらリモコンやらをぐしょぐしょにしていた。
横切った何かはベランダから駆けこんできた柚子だった。
柚子はソファから食卓のテーブルに飛び移ろうとしているところだった。が、
テーブルの上には、学校からのお知らせとか、まぁそういった類の紙類が
広がっていた。そこに着地したからたまらない。柚子は紙ごと滑り、灰皿を
道連れにしてテーブルから落下した。
きっと、慌てたのだろう。落ちた床からカウンターにジャンプしようとして、
柚子は目測を誤った。
中途半端にぶらさがった格好で、懸命に後脚であがくが、そもそも前脚の
爪がかかってないのだから、どうにもならない。
豊満な柚子の身体は、再度、床に落ちた。
しかも、そうとうにみっともなく。
わずか10メートルほどの距離で、この騒ぎ。ぼくは、呟かずにはいられな
かった。「おまえはドリフか……」と。

そんなわけで、不機嫌です。
追記:すいません、見栄はってました。6〜7メートルくらいです。